© Nicola Dal Maso / il Pomo d’Oro
イル・ポモドーロ(古楽オーケストラ)il pomo d’oro
2012年設立。事務局はチューリヒ、本拠地はイタリアに置く室内管弦楽団で、メンバーは古楽演奏の分野で最高の布陣を擁し、バロックおよび古典派のオペラと器楽作品のオーセンティックでダイナミックな解釈を特徴とする。
イル・ポモドーロという団体名は、1666年のアントニオ・チェスティのオペラからとられた。スペインのレオポルド1世とマルガリータ・テレサの結婚式の祝賀のために作曲された《イル・ポモドーロ(金のリンゴ)》は、24種もの異なる舞台デザイン、300人もの出演者によるバレエ、73,000発もの打上げ花火など、多数の特殊効果が施され、当時まだ歴史の浅かったオペラというジャンルの中で、最も高価かつ壮大な作品で、当時の王室宮廷をヨーロッパの文化的隆盛の頂点に君臨させた究極の作品とされている。
イル・ポモドーロは、ヨーロッパ中の有名なコンサートホールやフェスティヴァルに定期的にゲストとし招かれており、これまでに、指揮者のリッカルド・ミナーシ、マクシム・エメリャニチェフ、ステファノ・モンタナーリ、ヨルゴシュ・ペトル、エンリコ・オノフリ、フランチェスコ・コルティらと共演。歌手ではカウンターテナーのヤクブ・ユーゼフ・オルリンスキ、フランコ・ファジョーリ、マックス・エマヌエル・ツェンチッチ、シャビエ・サバタ、メゾソプラノのアン・ハーレンベリ、ジョイス・ディドナート、ソプラノのフランチェスカ・アスプロモンテ、エミューケ・バラートなどのリサイタルに客演し、ディスクも制作している。
ディスコグラフィは、オペラではヘンデルの《アグリッピーナ》、《セルセ》(19年フランコ・アッビアッティ音楽批評家賞、20国際クラシック音楽賞)、《タメルラーノ》、《パルテノペ》、《オットーネ》、レオナルド・ヴィンチの《ウティカのカトーネ》、アレッサンドロ・ストラデッラの《ラ・ドリクレア》(2018/19ドイツ・シャルプラッテン批評賞)など。
器楽録音では、ミナーシとエメリャニチェフの指揮・独奏によるハイドンのヴァイオリン・チェンバロ協奏曲集およびエドガー・モローとのチェロ・アルバムは、ともに2016年にエコー・クラシック賞を受賞した。
イル・ポモドーロは、ギリシャの難民キャンプの子供たちに無料で音楽教育を提供する人道的プロジェクトであるギリシャ・エル・システマの公式大使も務めており、チャリティ・コンサートを行うとともに、ギリシャのさまざまな難民キャンプで定期的にエル・システマ・メソードによるワークショップや音楽レッスンを提供している。
コンサートマスターのZefira Valovaは、2015年以来さまざまなプロジェクトでオーケストラをリードしており、2016年からはエメリャニチェフが首席指揮者、2019年からはコルティが首席客演指揮者を務めている。
www.il-pomodoro.ch