紀尾井ホール室内管弦楽団 2025年度定期演奏会
2025年度紀尾井ホール室内管弦楽団定期演奏会をご案内します。 4月の第142回は、サッシャ・ゲッツェルが新進気鋭のスヴェトリーナ・ストヤノヴァを迎えて、ベルクの《7つの初期の歌》を含む多彩なプログラムをお届けします。 7月の第143回はトレヴァー・ピノックの初回です。プログラムはラヴェルの魅惑的な《クープランの墓》で始まります。ベートーヴェンのピアノ協奏曲第4番には、ソリストとしてアレクサンドラ・ドヴガンが再び客演します。コンサートの後半のメンデルスゾーン《イタリア交響曲》は開館30周年を祝うべく、日本製鉄紀尾井ホールに太陽の光をもたらします。 9月の第144回は、東京オペラシティコンサートホールに会場を移し、KCOと相性抜群の阪哲朗が登場。メンデルスゾーンの卓越した音楽でシェイクスピアの精神を呼び起こし、阪田知樹は、1920年代のウィーン音楽界でもっとも才能のある作曲家のひとりであったコルンゴルトが書いた《左手のみのピアノ協奏曲》を取り上げます。滅多に聴かれることのない作品です、お聴き逃しなく! シーズン最後となる11月の第145回も東京オペラシティコンサートホールにて、若く才能溢れる指揮者ダンカン・ウォードがKCOと初共演。さらに世界的に名高いヴァイオリニスト、ヴィクトリア・ムローヴァとベルクの感動的なヴァイオリン協奏曲を演奏します。この曲に合わせるのはブリテンのオペラ《ピーター・グライムズ》の刺激に満ちた〈4つの海の間奏曲〉と、ブラームスの交響曲第1番。後者は作曲家自身がマイニンゲンで楽しんだのとほぼ同じ規模の編成で聴ける貴重な機会でもあります。どうぞご期待ください。 |
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主催:日本製鉄文化財団 特別協賛: |
2025年度選択セット券(4回セット)
一般発売 2024年12月13日(金)正午~
第142回定期演奏会(会場:日本製鉄紀尾井ホール)
[指揮]サッシャ・ゲッツェル [メゾソプラノ]スヴェトリーナ・ストヤノヴァ[日本デビュー] |
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[曲目]ハイドン:交響曲第39番ト短調 Hob. I:39 ツェムリンスキー:シンフォニエッタ op.23 ベルク:7つの初期の歌 シューマン:交響曲第4番ニ短調 op.120(1841年初稿版) |
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[発売]2025年1月10日(金)正午 | |||
サッシャ・ゲッツェル © Özge Balkan |
スヴェトリーナ・ストヤノヴァ © Benjamin Ealovega |
第142回の聴きどころ
2025年度はゲッツェル8年振りの再登場で幕を開けます。KCO3度目の出演となる今回は、2020年にキャンセルを余儀なくされたプログラムを再編成し、ハイドン、ツェムリンスキー、ベルクというゲッツェルのお国ものとも言うべきウィーン作品と、シューマンの交響曲第4番を組み合わせました。ハイドンの全方位的才能を見事に示す短調交響曲の傑作第39番に、ブラームスに評価され世に出、後にコルンゴルトの師にもなったツェムリンスキーのモダンさが光る《シンフォニエッタ》、ロマンティシズムと官能性を漂わせ、声とオーケストラが濃密な絡み合いを聴かせるベルクの《7つの初期の歌》、そしてシューマンがクララと結婚後、最初の彼女の誕生日にプレゼントした交響曲第4番の初稿版をお聴きいただきます。ソリストには、2020年の企画時と同じく、ウィーン国立歌劇場から世界の舞台へと活躍の場を転じたスヴェトリーナ・ストヤノヴァをお迎えします
第143回定期演奏会(会場:日本製鉄紀尾井ホール)
[指揮]トレヴァー・ピノック [ピアノ]アレクサンドラ・ドヴガン |
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[曲目]ラヴェル:組曲《クープランの墓》[生誕150周年記念] ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第4番ト長調 op.58 メンデルスゾーン:交響曲第4番イ長調《イタリア》op.90, MWV N 16 | |||
[発売]2025年3月7日(金)正午 | |||
トレヴァー・ピノック © Gerard Collett |
アレクサンドラ・ドヴガン © Irina Schymchak |
第143回の聴きどころ
ピノックの首席指揮者第2期最初の回。日本製鉄紀尾井ホール改修直前にあたり、このホールの唯一無二のアクースティクを多くの方の耳と心に刻み付けていただけるよう、王道にして個性豊かなプログラムをご用意しました。生誕150周年を迎えるラヴェルの軽妙と洗練、ベートーヴェンが楽想の聴きやすさと実験的な手法(独奏ピアノによる弱音での開始、楽章ごとの編成の差異等)を同時に成立させたピアノ協奏曲、そして陽光が燦々と降り注ぐような明るさとリズムの喜びに溢れたメンデルスゾーン。これらの作品で、およそ30年にわたって熟成させてきた日本製鉄紀尾井ホールの音をじっくり味わっていただきます。なお、《イタリア》は2023年の《讃歌》に続くピノックのメンデルスゾーン第2弾となります。ソリストは2022年以来2度目となるアレクサンドラ・ドヴガン。ピノックが「今彼女の成長を聴き逃してはならない」と絶賛する才能です。
第144回定期演奏会(会場:15日 東京オペラシティ コンサートホール、16日 住友生命いずみホール/大阪)
2025年9月15日(月・祝)14時・ 9月16日(火)19時(大阪公演) ※変則日程・変則会場となりますので、ご注意ください。
[指揮]阪哲朗 [ピアノ]阪田知樹[KCOデビュー] [ソプラノI]三宅理恵[KCOデビュー] [ソプラノII]山下裕賀[KCOデビュー] [合唱(東京)]TOKYO FM 少年合唱団[KCOデビュー] [合唱(大阪)]大阪すみよし少年少女合唱団[KCOデビュー] |
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[曲目]ヴェーバー:歌劇《オベロン》J.306〜序曲 コルンゴルト:左手のためのピアノ協奏曲嬰ハ調 op.17 メンデルスゾーン:劇付随音楽《夏の夜の夢》op.21, MWV P 3 & op.61, MWV M 13[序曲付き全曲] |
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[発売]2025年5月9日(金)正午 | |||
阪哲朗 © Florian Hammerich |
阪田知樹 © Ayustet |
三宅理恵 |
山下裕賀 © Yoshinobu Fukaya |
TOKYO FM 少年合唱団 © Makiko Kobayashi |
大阪すみよし少年少女合唱団 |
第144回の聴きどころ
第144回もビッグ・プロジェクトをお贈りします。指揮はKCOとの相性がすこぶるよく、定期的に客演を重ねている阪哲朗。プログラムはシェイクスピアの名高い戯曲にまつわるヴェーバーとメンデルスゾーンの作品に、コルンゴルトによる珍しいピアノ協奏曲を組み合わせました。同コンチェルトは、これまでに西日本で2回しか採り上げられておらず、これだけでも貴重な機会となります。さらに《夏の夜の夢》は全曲版。妖精が飛び回り、歓喜が爆発するような序曲や、ホルンがたっぷりと歌う夜想曲、どなたもご存知の結婚行進曲はもちろん、ソプラノ2名のきわめて美しい二重唱やかわいらしい合唱も加わるとても魅力的でチャーミングな名作です。なお、この回からKCOは日本製鉄紀尾井ホールをいったん離れます。他会場でのKCOのサウンドにもご期待ください。
第145回定期演奏会(会場:東京オペラシティ コンサートホール)
2025年11月21日(金)19時・11月22日(土)14時
[指揮]ダンカン・ウォード[KCOデビュー] [ヴァイオリン]ヴィクトリア・ムローヴァ[KCOデビュー] |
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[曲目]ブリテン:歌劇《ピーター・グライムズ》〜4つの海の間奏曲 op.33a ベルク:ヴァイオリン協奏曲 ブラームス:交響曲第1番ハ短調 op.68 |
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[発売]2025年9月19日(金)正午 | |||
ダンカン・ウォード © Holger Talinski |
ヴィクトリア・ムローヴァ © Benjamin Ealovega |
第145回の聴きどころ
2025年度最後の定期は11月。英国のダンカン・ウォードがKCOにデビューします。サイモン・ラトルもその才能を認め、彼のためにベルリン・フィルのアカデミーにアシスタントのポストを新設したという逸材で、まさに将来を嘱望される若手指揮者です。ソリストはヴィクトリア・ムローヴァ。40年にわたり世界のヴァイオリン界を牽引する、まさにビッグネームです。プログラムはブリテン、ベルク、ブラームスのオール「B」プログラム。前半は20世紀前半の傑作を2つ。ブリテンの傑作オペラ《ピーター・グライムズ》から《4つの海の間奏曲》、そしてブリテンが尊敬し、師事を望んでいたベルクの白鳥の歌。「ある天使の思い出に」という献辞でも有名なヴァイオリン協奏曲です。後半はブラームスが着想から完成までに21年もの歳月をかけた大作、交響曲第1番を初演当時に近い編成でお届けします。
各種チケット料金のご案内
●各公演 料金
<1公演券> S席 8,800円 A席 7,800円 B席 5,800円 (東京オペラシティ公演のみC席 4,000円。C席の選択セット券(4回セット)販売はありません) A席 2,000円 B席 1,500円
※は公演当日に29歳以下の方を対象とする優待料金です。詳しくはこちらをご覧ください。