That’s KCO Entertainment ハッピー☆MOKU5アワー

魅力あふれる木管五重奏を体験しよう!(文・佐伯茂樹)
 フルート、オーボエ、クラリネット、ホルン、ファゴットという5種類の楽器による「木管五重奏」は、今から200年前のパリで誕生しました。当時のパリ音楽院の作曲科教授だったアントン・ライヒャが、1817年に初めてこの編成の曲を作曲したのです。

 ライヒャは、チェコの生まれで(本名はアントニーン・レイハと言います)、ドイツのボンを経て1801年からウィーンに移り住んでいました。この当時、ウィーンではハルモニーと呼ばれる管楽器のアンサンブルが盛んでしたが、そこにはフルートが含まれていませんでした。フルートはバロック時代に王侯貴族が宮殿で楽しむために作られたので、庶民が野外で楽しむハルモニーには入れてもらえなかったのです。
 ライヒャは、1808年にパリに居を移しますが、このころのパリは、フランス革命で王侯貴族が処刑され市民が台頭していました。音楽の場も宮殿から街中に移り、人々はサロンで音楽を楽しむようになったのです。その編成として生まれたのが木管五重奏に他なりません。宮廷の楽器だったフルートが民衆の楽器たちと一緒に演奏するなんて、まさしく革命後のパリを象徴しているようです。
 
 木管五重奏は、それまでのソプラノからバスまで役割の決まったアンサンブルとは違い。5人全員がソリストです。戦隊モノのヒーローのごとく五色のプリマドンナが歌を競い合う華やかな音楽は、19世紀のパリジャンたちに歓迎されたことでしょう。

 今回のコンサートでは、木管五重奏だけではなく、ピアノが加わった六重奏やメンバーのうち4人が演奏する四重奏、フルートとオーボエの2人が音で対話する二重奏など、さまざまな編成の音楽が繰り広げられます。これは、まさに5人プラスピアノの6人全員が違う色を持ったプリマドンナだからこそできること。色の組み合わせによって生じるカラフルな音色は木管五重奏でなけれな聴くことができません。ぜひ、パリのサロンに行くようなつもりでお出かけください。
曲目解説

■ヨハン・シュトラウス二世:喜歌劇『こうもり』序曲
コンサートのオープニングを飾るのは、ニューイヤーコンサートでおなじみのヨハン・シュトラウス二世の作品です。ちょっと遅いですが、ウィーンの新年の雰囲気を木管五重奏でお楽しみください。

■ロッシーニ:木管四重奏曲第1番ヘ長調
次はオーボエがお休みしてロッシーニの木管四重奏曲をお届けします。この曲は、ロッシーニが12歳のときに作曲した弦楽のためのソナタをドイツのクラリネット奏者が編曲したもので、どことなくロッシーニのオペラを彷彿させる楽しい曲です。

■モーツァルト:歌劇『魔笛』KV620 より
「私は鳥刺し」「なんという不思議な笛の音だ」「復讐の炎は地獄のように我が心に燃え」

フルートとオーボエの二重奏でモーツァルトの歌劇《魔笛》のアリアを3曲演奏します。フルートとオーボエという二人のプリマドンナの競演が聴きものです。

■ビゼー:カルメン組曲
 続いてビゼーの代表作である歌劇《カルメン》の中から5曲を選んで木管五重奏用に編曲したものです。フランス生まれの華やかな響きでオペラの名旋律を堪能してください。

■ルーセル:ディヴェルティスマン Op.6
 木管五重奏にピアノが加わります。曲はフランス近代の作曲家ルーセルがこの編成のために書いた《ディヴェルティスマン》。ルーセルが海軍に従軍していたときに訪れたインドやインドネシアの音楽の要素が取り入れられていてエスニックな雰囲気が漂う曲です。

■ミヨー:ルネ王の暖炉 Op.205
 ルーセルと同じフランス近代の作曲家ミヨーが作曲した木管五重奏曲です。元は映画音楽として書かれたもので、中世フランスのさまざまな場面が7つの曲で表されています。

■ラヴェル:マ・メール・ロワ
 最後にお届けするのは、やはり近代フランスのラヴェルの管弦楽曲(元はピアノ連弾曲)を木管五重奏とピアノのために編曲したものです。タイトルの「マ・メール・ロワ」は「マザー・グース」のこと。童話の楽しい世界が展開します。

出演メンバーより

フルート 難波 薫 今回のお話をいただいた時、メンバーが素晴らしすぎて、嬉しさと怖さで震えました。この、またとない幸せな機会を楽しみ、素敵なコンサートにするべく、全力で臨みます。今、私が最も気合いを入れているコンサートと言っても過言ではありません。ぜひ、足をお運びくださいませ。どうぞよろしくお願いいたします!


オーボエ 池田昭子 ハッピーもく5アワーってすごいネーミングですが、名前負けしないくらい楽しいプログラム満載です!
私たちが普段オーケストラで演奏している曲を木管五重奏+ピアノで小回りを効かせながら、全てが違う楽器だからこそできる多種多様な楽器の組み合わせで生み出す色彩の変化をお楽しみいただけると思います!もちろんオリジナルのミヨーなどもお楽しみに!


クラリネット 勝山大舗 素晴らしいメンバーとアンサンブルをする事は、演奏家にとって大切な栄養となります。新年から尊敬する方々と一緒に音楽ができるという事で、ハッピー☆な気持ちです。スーパーなメンバー達のステージ上の音楽の対話をお客様にも味わって頂けたらと思います。プログラムも盛り沢山で最高ですね!楽しんで頂けるよう頑張ります!


ファゴット 岩佐雅美 今回の演奏会では、後半にピアニストの鈴木慎崇さんを迎えてフランス音楽を演奏します。鈴木さんが奏でる音色はとても色彩豊かで、いつか共演したいなと常々考えていました。ラヴェルのマ・メール・ロワをはじめとした曲目はまさに鈴木さんとの共演にぴったり。きらびやかなハーモニーを皆さんにお届けできるよう、メンバー全員で楽しみながら演奏したいと思います。


ホルン 日橋達朗 ホルンという楽器は金管楽器ですが、その楽器が誕生した由来から木管アンサンブルの仲間に入ります。とても輝かしい金管の響きから、柔らかい木管楽器のような音色まで、非常に幅広い表現ができる楽器なので、今回はそんな木管五重奏でのホルンの魅力を存分に発揮できたらと思います。私は今年度から紀尾井ホール室内管弦楽団の一員として迎えられ、早速の室内楽コンサートということで、とても楽しみにしております。