紀尾井ホール室内管弦楽団 2023年度定期演奏会
2023年度の紀尾井ホール室内管弦楽団(KCO)は、首席指揮者2年目となるトレヴァー・ピノックとのコラボレーションと、2020、21年にやむなく中止となってしまったリチャード・トネッティおよびオッターヴィオ・ダントーネによる2つの公演の再企画をお届けします。
ピノックとは、まず4月にシューベルトとモーツァルトの名曲中の名曲のセットをご用意しました。9月はメンデルスゾーンの大作《讃歌》と作曲家が新婚旅行中に書いたこの上なく美しい《詩篇第42番》の2つの声楽付き作品、さらにオラトリオ《聖パウロ》の序曲も合わせた、まさに時間的にも内容的にも重量級のプログラムです。60年以上にわたり器楽と声楽の双方に深く精通したピノックの音楽的財産を、KCOの演奏を通じて日本のファンのみなさまに存分に披露いたします。
7月のトネッティ、11月のダントーネは、20、21年に中止となった後もKCOとの共演を心待ちにしてくれていました。自由闊達なトネッティ、バロック・古典の世界的権威ダントーネの両氏が、それぞれ最も得意とするレパートリーを採りあげます。
2023年度もKCOは皆さまの心に残るコンサートを目指し続けます。どうぞご期待ください。
主催:日本製鉄文化財団
特別協賛:三井不動産株式会社 協賛:三井物産株式会社 三菱商事株式会社
第134回定期演奏会
[指揮]トレヴァー・ピノック | |||
[曲目]シューベルト:イタリア風序曲第1番ニ長調 D590 モーツァルト:交響曲第35番ニ長調 K.385《ハフナー》 シューベルト:交響曲第8番ハ長調 D944《ザ・グレイト》 |
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[発売] 2023年1月13日(金)12:00~ | |||
トレヴァー・ピノック ©Gerard Collett |
第134回の聴きどころ
ピノック2期目の最初は、ウィーンの古典派とそれを発展継承した前期ロマン派のセットです。
幕開けはシューベルトのニ長調の《イタリア風序曲》。愛くるしいメロディと当時流行っていたロッシーニ風の味わいを持つチャーミングな小品です。続く《ハフナー》は、22年度に実現できなかったモーツァルト・プログラムから。冒頭から2オクターヴの跳躍という斬新なスタートを切るこの曲で、活力溢れたモーツァルトの世界をお聴きいただきます。後半はシューベルトの最後の交響曲。目標としていたベートーヴェンに肩を並べ、独自の世界を切り拓いた畢生の傑作で、初めてトロンボーンを全楽章に用いるなど、音楽史上でも画期的で重要な位置付けにある真の名作です。
第135回定期演奏会
[指揮&ヴァイオリン]リチャード・トネッティ[紀尾井ホール室内管弦楽団 デビュー] | [曲目]キラル:オラヴァ ~ 弦楽オーケストラのための(1988) ハイドン:交響曲第104番ニ長調 Hob.I:104《ロンドン》 武満徹:ノスタルジア~アンドレイ・タルコフスキーの追憶に モーツァルト:交響曲第41番ハ長調 K.551《ジュピター》 |
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[発売] 2023年3月24日(金)12:00~ 後援:オーストラリア大使館 | |||
リチャード・トネッティ ©Ben Sullivan |
第135回の聴きどころ
2020年9月に予定していた公演が3年越しでいよいよ実現します。この時KCOデビューとなるはずだったトネッティは残念ながら来日できませんでしたが、半年の中止期間を経て公演を再開したKCOに温かい応援のビデオメッセージを送ってくれました。
オーストラリア室内管弦楽団の芸術監督を30年以上にわたって務め、室内オーケストラの呼吸を知り、また自由な発想でチャレンジし続ける彼がKCOに新たな刺激をもたらします。
ハイドンとモーツァルトの最後の交響曲にポーランドと日本の近代作品を合わせるというサウンドにも曲想にもメリハリあるプログラムをお楽しみください。
第136回定期演奏会
2023年9月22日(金)19時・9月23日(土・祝)14時
[指揮]トレヴァー・ピノック [ソプラノⅠ 独唱]ラゥリーナ・ベンジューナイテ[日本デビュー] [ソプラノⅡ 独唱]湯川亜也子 → 澤江衣里 [テノール独唱]マウロ・ペーター[紀尾井ホール室内管弦楽団 デビュー] [合唱]新国立劇場合唱団 |
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[曲目]メンデルスゾーン:オラトリオ《聖パウロ》op. 36, MWV A 14~序曲 メンデルスゾーン:詩篇第42番《鹿が谷の水を慕うがごとく》op.42, MWV A 15 メンデルスゾーン:交響的カンタータ(交響曲第2番)《讃歌》変ロ長調 op.52, MWV A 18 |
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[発売] 2023年5月26日(金)12:00~ | ||||
トレヴァー・ピノック ©Gerard Collett |
ラゥリーナ・ベンジューナイテ ©R. T. Dunphy |
湯川亜也子 |
マウロ・ペーター ©Christian Felber |
第136回の聴きどころ
23年度ピノックとの2度目の定期演奏会はメンデルスゾーン・プログラムです。オーケストラと声楽の双方に通じたピノックならではの芸術を満喫していただくため、合唱を用いた大作カンタータ《讃歌》と、シューマンが「メンデルスゾーンが教会の作曲家として到達した最高作」とまで絶賛した浄化されるような美しさを持つ《詩篇第42番》をご用意しました。またコンサートの最初にはオラトリオ《聖パウロ》の序曲も。“目覚めよ!と我らを呼ぶ声あり”のコラールに始まり、メンデルスゾーンらしい推進力が爽快な心沸き立つ序曲です。ピノック芸術の真髄を存分にご堪能ください。
第137回定期演奏会
2023年11月17日(金)19時・11月18日(土)14時
[指揮&ピアノ]オッターヴィオ・ダントーネ[紀尾井ホール室内管弦楽団 デビュー] [コントラルト]デルフィーヌ・ガルー[日本デビュー] |
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[曲目]ヘンデル:歌劇《アルチーナ》HWV34~序曲、ガヴォット、サラバンド、アッラ・ブレーヴェ、アリア〈復讐してやりたい〉 ヘンデル:歌劇《ジューリオ・チェーザレ》~アリア〈花咲く心地よい草原で〉 ヘンデル:歌劇《リナルド》~アリア〈風よ、暴風よ、貸したまえ〉 ポルポラ/ダントーネ編:ピアノ協奏曲ト長調(原曲:チェロ協奏曲)[アジア初演] ヴィヴァルディ:歌劇《テンペのドリッラ》~シンフォニア ヴィヴァルディ:歌劇《救われたアンドロメダ》~アリア〈太陽はしばしば〉 ヴィヴァルディ:歌劇《狂えるオルランド》~アリア〈真っ暗な深淵の世界に〉 グルック:歌劇《パリーデとエレーナ》~アリア〈甘い恋の美しき面影が〉 ハイドン:交響曲第81番ト長調 Hob.I:81 |
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[発売] 2023年7月21日(金)12:00~ | ||||
オッターヴィオ・ダントーネ ©Giulia Papetti |
デルフィーヌ・ガルー ©Giulia Papetti |
第137回の聴きどころ
バロック音楽の世界的権威ダントーネがKCOとの舞台で日本のオーケストラにデビューします。プログラムは得意のヴィヴァルディからハイドンまでのバロック&古典派音楽に、アバドの追悼公演用にダントーネ自身が編曲したポルポラの傑作協奏曲のアジア初演も加え、ダントーネの音楽の魅力を指揮とソロの両面で存分にお楽しみいただきます。
またコンサートの前半には、彼と公私ともにパートナーで、これが初来日となるデルフィーヌ・ガルーによる、華麗なアジリタや美しく情感豊かなバロック・オペラの名アリアの数々もお届けします。
各種チケット料金のご案内
●各公演 料金<1回券> S席 8,800円 A席 7,800円 B席 5,800円 A席 2,000円 B席 1,500円
第136回公演 【特別価格】 S席 11,000円 A席 9,500円 B席 7,500円 A席 4,000円 B席 3,000円
※は公演当日に29歳以下の方を対象とする優待料金です。詳しくはこちらをご覧ください。